以前、投資アプリとしてのmoomoo証券のレビューを書きました。あれから数ヶ月——2026年3月13日、moomoo証券が「OpenAPI」に対応したというニュースが飛び込んできました。

米国市場は日本時間の深夜。仕事のある会社員が手動でトレードするのは非現実的です。でもAPIがあれば、プログラムに任せて寝ている間に取引できる。これは試すしかないと思い、さっそくセットアップしてみました。
この記事では、moomoo証券の口座を既に持っている僕が、OpenAPIのセットアップから実際にPythonでデータ取得するまでの一部始終を書きます。
📢 moomoo証券のOpenAPI対応——何が変わった?

moomoo証券の親会社であるFutu Holdings(Nasdaq上場)は、海外ではすでにOpenAPIを提供していました。しかし、日本法人の口座ではずっと使えなかったんです。
それが2026年3月13日、ついに日本でも解禁。名称は「moomoo OpenAPI」。
🔑 できること
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| リアルタイムデータ取得 | 株価・板情報・ローソク足・大口投資家動向・空売りデータ |
| 自動売買 | プログラムによる自動発注・損切り・利確ルールの自動適用 |
| 外部ツール連携 | Excel・Googleスプレッドシート・自作ダッシュボードとの連携 |
| バックテスト | 過去データを使った戦略検証、ペーパートレード(模擬取引) |
⚠️ 対応市場に要注意
ここが重要なポイント。日本株のAPI売買には非対応です。
| 市場 | データ取得 | API売買 |
|---|---|---|
| 米国株・ETF | ⭕ | ⭕ |
| 米国オプション・先物 | ⭕ | ⭕ |
| 香港株 | ⭕ | ⭕ |
| 日本株 | 限定的 | ❌ 非対応 |
📱 moomoo証券アプリの主な機能
OpenAPIの話に入る前に、アプリ自体の機能も紹介しておきます。情報収集ツールとしても優秀です。




🛠️ OpenAPIのセットアップ手順

実際にセットアップしてみた流れを紹介します。所要時間は約30分でした。
pip install moomoo-api を実行するだけ。💡 OpenDって何?
moomoo OpenAPIの最大の特徴が、「OpenD」というゲートウェイプログラムを使う点です。普通のREST APIのようにURLを叩くのではなく、ローカルPCでOpenDを起動して、そこにPythonから接続する仕組みです。
少し独特ですが、このおかげで通信速度が速い(最速0.0014秒)。スキャルピングのような短期売買でも遅延を気にしなくていいレベルです。
🐍 Pythonで実際にデータを取得してみた

セットアップが終わったので、Pythonで米国株のデータを取得してみました。
📊 リアルタイム株価の取得
Appleの株価を取得するコードはたった数行です。
from moomoo import OpenQuoteContext
quote_ctx = OpenQuoteContext(host='127.0.0.1', port=11111)
ret, data = quote_ctx.get_market_snapshot(['US.AAPL'])
if ret == 0:
print(data[['code', 'last_price', 'open_price', 'high_price', 'low_price']])
quote_ctx.close()
これだけで、Appleの現在値・始値・高値・安値がリアルタイムで取得できます。楽天証券やSBI証券のツールでは不可能なレベルの自由度です。
📈 ローソク足データの取得
過去のローソク足データも取得できます。バックテストや自作チャートツールに使えます。
from moomoo import OpenQuoteContext, KLType, SubType
quote_ctx = OpenQuoteContext(host='127.0.0.1', port=11111)
ret, data = quote_ctx.get_cur_kline('US.AAPL', 100, KLType.K_DAY)
if ret == 0:
print(data[['time_key', 'open', 'close', 'high', 'low', 'volume']])
quote_ctx.close()
対応する足種は1分足から年足まで。1分足のリアルタイム配信もサブスクリプションで受けられるので、デイトレーダーにもスイングトレーダーにも対応します。
🤖 自動売買のイメージ
「株価が○○ドル以下になったら買い」「○%上がったら利確」のような戦略をプログラムに書けます。
from moomoo import OpenSecTradeContext, TrdEnv, TrdSide, OrderType
trd_ctx = OpenSecTradeContext(host='127.0.0.1', port=11111)
# ペーパートレードで注文(本番口座にも切替可能)
ret, data = trd_ctx.place_order(
price=150.0,
qty=10,
code='US.AAPL',
trd_side=TrdSide.BUY,
order_type=OrderType.NORMAL,
trd_env=TrdEnv.SIMULATE # ペーパートレード
)
print(data)
trd_ctx.close()
📊 他の証券APIとの比較
米国株の自動売買ができるAPIサービスは限られています。主要なものと比較してみました。
| 項目 | moomoo OpenAPI | Interactive Brokers | Alpaca |
|---|---|---|---|
| 米国株自動売買 | ⭕ | ⭕ | ⭕ |
| 日本株自動売買 | ❌ | ⭕ | ❌ |
| Python SDK | ⭕ 無料 | ⭕ 無料 | ⭕ 無料 |
| API利用料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 注文速度 | 最速0.0014秒 | 高速 | 普通 |
| 口座開設の簡単さ | 日本居住者OK・簡単 | やや煩雑 | 日本居住者不可 |
| NISA対応 | ⭕(手数料無料) | ❌ | ❌ |
| 日本語サポート | ⭕ | △ | ❌ |
| 独自データ | 大口動向・空売りデータ | 機関投資家向け | 基本データのみ |
日本在住の個人投資家にとって、最もハードルが低い選択肢がmoomooです。Alpacaは日本居住者の口座開設ができず、Interactive Brokersは手続きが煩雑。moomooならスマホで口座開設してすぐにAPIが使えます。
💰 料金——追加コストは一切なし

APIの利用料は完全無料です。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| SDK・OpenD | 無料 |
| API追加手数料 | なし(アプリと同じ手数料) |
| 米国株手数料(ベーシック) | 約定代金×0.132%(税込) |
| NISA口座 | 米国株手数料 無料 |
😊 メリット・デメリット【実際に使った本音】

pip install moomoo-apiだけで導入完了。公式ドキュメントも英語ですが読みやすい
📝 ペーパートレードで安心して練習できる
リアルマネーを使わずに戦略テストが可能。初心者でも安心
🚀 注文速度が速い
最速0.0014秒。スキャルピング的な短期戦略でも使える
💰 追加コストゼロ
API利用料なし。NISAなら手数料も無料
📊 大口投資家の動向データが取れる
通常は機関投資家しかアクセスできないデータを個人でも取得可能
米国株がメイン。日本株を自動売買したい人はauカブコムやInteractive Brokersを検討する必要がある
⚠️ OpenD(ゲートウェイ)の常時起動が必要
REST APIのように気軽にHTTPリクエストを送る方式ではない。常時起動のPCかVPSが必要
⚠️ ドキュメントが英語メイン
SDK自体は日本語環境で問題なく動くが、公式ドキュメントは英語。プログラミング初心者にはハードルがある
🎯 おすすめする人・おすすめしない人

✅ Pythonの基礎がわかる人(ループ・条件分岐レベルでOK)
✅ 寝ている間に米国市場で取引したい人
✅ データ分析・バックテストをやりたい人
✅ すでにmoomoo証券の口座を持っている人
❌ プログラミングに全く触れたことがない人
❌ スマホだけで完結させたい人(PCかVPSが必要)
💡 会社員がOpenAPIを活用する3つのシナリオ

📌 シナリオ1: 寝ている間に指値注文を自動管理
米国市場は日本時間23:30〜翌6:00(夏時間は22:30〜)。寝る前にプログラムを起動しておけば、夜中の急変動にも自動対応できます。「○%下がったら損切り」「○%上がったら利確」のルールを事前に設定しておくだけ。
📌 シナリオ2: 毎月の積立を自動化
「毎月1日にS&P500のETF(VOO)を○ドル分購入」のようなドルコスト平均法をプログラムで完全自動化。アプリで手動注文する手間がなくなります。NISA口座なら手数料も無料。
📌 シナリオ3: 自作の投資ダッシュボード
ポートフォリオの損益をリアルタイムで取得して、Googleスプレッドシートや自作Webアプリに表示。複数銘柄の含み損益やポートフォリオ比率を自分好みの形式で管理できます。
🏆 まとめ

moomoo証券のOpenAPI対応は、個人投資家がプロと同じ環境で米国株の自動売買をできるという画期的なサービスです。
特に会社員にとっては、深夜の米国市場をプログラムに任せられるのが大きい。Pythonの基本がわかれば、セットアップ30分で始められます。
まずはペーパートレードで試してみて、感覚をつかんでから本番口座に移行するのがおすすめです。








